爆音が響き渡る荒野と化したシズオカ西部の町


辺りには逃げ遅れたのだろう一般市民や応戦していた兵士達の死体、敵である西日本軍の紋章が施された隊服を着ている人間の死体があちこち無残に転がっている


それらの中を颯爽と行く人影が六つ


そう、東日本最強で最恐と恐れられている


__________”零部隊”だ


「…皆、戦闘準備」


彼女こそ零部隊隊長ツルギ


13という歴代最年少の隊長を務め、現在17歳のエリートだ


「一人で先に行くんじゃねぇぞ。隊長が負傷したらどうすんだよ」


ツルギの片腕ともいわれているリョウヘイ


彼は18歳だが零部隊の古株の一人で、銃使いの手練れだ


「うっわぁ、酷い有り様っすねぇ。これはボーナス期待しちゃていいっすかね?」


場に不相応な話を飄々としているのはイツキ


彼は訓練兵の中でも飛び抜けた戦闘力を持ち、今年零部隊に入隊した新人で体術を得意としている


「黙ってろ新人野郎、俺の方が活躍してボーナスゲットすんだからよ?」


イツキの頭に腕をのせ、豪快に笑うクロウ


彼は自慢気に肩に乗せている大きな剣の使い手でまた、ツルギと共に結成当時からの古株だ


「本当、黙るって事を知らないの?これだから脳筋は」


イツキとクロウに呆れた目線を送っているのがミツキ


彼女はイツキの姉で小型拳銃を得物としている


「まぁまぁ、ふざけてないで。敵さん来ちゃったよ?」


食えない笑みを浮かべているのはゼン


鎖鎌をつかい、それに加え狡猾だ。今年別の部隊から編入隊してきた


以上六名という少人数で編成されたのが零部隊だ


そしてゼンの言った通り、前方から軽く百は越えているであろう西日本軍が押し迫ってきていた