汗で濡れた髪をそっとひと撫でしたら眉がピクリと反応した。慌てて手を引っ込めようとした瞬間…形の良い唇が薄く開いて私の名前を呼んだ。
「…夏音…さん…。」
『…えっ…?』
その後は何も言う事無く寝息を立て始めて穏やかな顔で眠ってる。
たとえ寝言でも自分の名前を言ってくれるのってなんか嬉しいな。
『ゆっくり休んでね?おやすみなさい。』
髪を優しく撫で、最後にもう一度顔を覗き込んで彼の寝顔に微笑みかけて立ち上がった。すると次の瞬間―。
「…行か…ないで…。」
『冴木君…起きてるの?』
「うん…」
すると瞼が少しずつ開いて熱で潤んだ瞳が私の目を捉えた。


