今まで至近距離だった彼は藤枝さんの一言でスピーディーに離れ、テンション高めに席から立ち上がると一目散に厨房へと消えていった。
…藤枝さんの言葉が無かったら…恥ずかしい所を見せるとこだったかもしれない。
ほっと胸を撫で下ろして藤枝さんの顔を見上げたら軽くニコッと微笑まれて…私も微笑み返した。
しばらくすると、アイスが入ったステンレス製の入れ物と人数分の小皿とスプーンを抱えて、気分上々な様子で楓さんが戻ってきた。
今なら帰れると思い立った私は、彼が腰を下ろしたと同時に椅子から立ち上がったんだけども―。
「夏音ちゃんもアイス食べよーよ♪」
『えっと……。』
思わぬお誘いに固まる私。


