あまりに理不尽な彼の過去に胸が締め付けられる。 言いたい事がまとまらなくて胸の内がパンクしそうだった。 自分が裏切られた時の、あの光景が目の奥から蘇ってきて泣きそうになったけど…。 それでもどうにか気持ちを落ち着かせて何とか口に出した。 『…裏切られるのは…悲しいよね。自分の…全部を好きになってほしいよね。 …良い所は勿論だけど、自分が嫌いな所を好きにさせてくれる…そんな人と巡り会えたら…最高なのにね…。』 そう言い終えて何気なく冴木君を見ると柔らかく笑った。