私は無意識のうちに彼の手を引っ張っていた。 『冴木君、行こう!乗って!』 「えっ、あっ……!うんっ…」 少々困惑気味だったけど、助手席に乗り込んでシートベルトを装着してくれた。 車を走らせる事約15分。無事に職場に到着して車を降りると丁度、藤枝さんと鉢合わせになった。 『おはようございますっ』 「マスター…おはよー……」 私と冴木君が一緒に出勤した事に驚いたのか、一瞬目を見開いたけど、穏やかな微笑を浮かべた。 三人揃ってお店に入ると、それぞれの分担された仕事に取り掛かる準備をする。