「あっ!今なんか意外って顔した!!俺だって免許持ってるんだからねっ!」

『え…私顔に出てた?!…って、あっ…!』

―しまった!!同意しちゃった!!
でも冴木君怒ってないから大丈夫だよね?もう観念するしかないかも。

「ぷっ、やっぱり思ってたんじゃん♪意外な一面だったでしょ?」

『…ちょっと…。だっていつも自転車だから…。ごめんなさい…』

「謝る事無いよ♪…運転も自信あるから大船に乗ったつもりで居てよ♪」

『うんっ!じゃあ…お願いします!』

彼の明るい笑顔を前にすると、先程起こった嫌な出来事が霞みつつある。
今だけなのかもしれないけど…。

慣れない高級車に再び乗り込んで、ちょっとしたドライブ気分で助手席で揺られる。