「帰りは送ってくよ―。」

予想もしない彼の言葉に目を見開いてしまった。

『えっ…?』

「―って言ってもマスターの車でだけどね♪…行こう?マスター今寝てるからさ。」

『そう…なんだ。起こすの悪いもんね。それじゃ明日にでもお礼言おうかな』

「うん、それが良いかも♪…えっと、鍵、鍵―」

そう言ってポケットをまさぐり、得意気に彼が取り出したのは高そうなブランド物のキーケース。

運転出来るの?なんて聞けない。…怒られちゃうよね。