厨房からは陽気なマスターの声が聞こえてきて、まだ食べられないんだというお預け感を感じ取り私達は項垂れた。

どうせ食べるなら究極にお腹を空かせて食べたい。

その考えが一致してるのか、冴木君は飲み物を飲むか聞いてきた。

「はぁ…もう。松岡さん、喉乾いたでしょ、何か飲む?」

『…グレープフルーツジュースが飲みたい…。冴木君は…?』

「ん~~…ココア…バニラアイス付き……」

項垂れながら冴木君の顔を覗き込むと、眉間にシワを寄せながらも泣きそうな目で視線を合わせてきた。