『…ふぅ…。よしっ…!』 ―カラン、カラン♪― 静かに扉を押し開けると涼しげな鐘の音が軽やかに店内に響いた。 一歩足を踏み入れると、ふわっと香るコーヒー豆の香ばしい香り。 どこか懐かしさを感じる木製の匂い。 ほんのり甘く香ってくるのは焼き菓子を思わせるような胸がときめく香り。