「オム、ロコ完成~!」 厨房から陽気なマスターの声が響いてきて 私達は同時に振り返る。 するとその時、冴木さんは一瞬ホールに視線を移すと私に料理の配膳をするように指示を貰う。 「…松岡さん、配膳お願い、俺はA5のオーダー取ってくるから。」 『分かりましたっ』 オムライスとロコモコを取りに厨房へ向かう。 …あれ?…A5のテーブルって…さっきあのカップルを案内したテーブルだよね。 私は心の中で安堵の息を漏らした。