軽い吐き気と動悸の悪化に、たまらずハザードボタンを押して道路端に車を寄せた。 『…はぁっ…はぁっ…!っ…はぁっ…!』 じんわりと嫌な汗が滲む。 ハンドルをしっかり握り締めて前屈みになって動悸が治まるのを待つ。 視界に入ってきた時計の時間は9時43分。 『…まだ大丈夫…』 嫌な事を思い出した。