『…あっ、藤枝さんに電話すればい良いんじゃんっ』

こう思い付いてバッグからスマホを取り出し、ダイヤル画面を開いた時だった。

「あっ!あの時のっ―!」

私の背後から聞こえてきた明るく人懐こい声。
この声、私には聞き覚えがある―。

その声に反応して振り返るとやっぱりあの男の子だった。

スポーティーなラフな服装でマウンテンバイクに跨がって可愛らしい笑顔を向けている。