「それじゃあ、今度こそ・・おつかれさま」
「あ?ああ。おつかれ」

天野くんが私の手を離したのを機に、私は踵を返すと、社の玄関に向かって歩き出した。

今日は、私が一歩歩くたびに、私たちの距離がそれだけ遠のいていく気がする。
天野くんと一緒に仕事ができないのは半月だけなのに、もう二度と彼に会えないような気がするくらい、悲しい気持ちがわいてくるのは、たぶん・・・彼とはもう二度と、今まで通り、一緒に仕事をすることができないと、強く思うから。

最高で最強の仕事上のパートナーという私たちの関係は、もう終わりだ。