「・・天野くん」
「ん?」
「“銀河警察隊”のコミック、私のでよかったらあげる」
「え!マジ!?やったぁ!ほらなー?織江。やっぱ願い事は言ってみるもんだろ?」
「あぁ・・・確かに、天野くんが言ったから、私は思いついたんだけど・・あ。でもね、私、コミック10巻までしか持ってないんだ。それに初版限定バージョンじゃないよ。それでもいいかな」
「いいいいっ!全然いいよ!後15冊は俺買うから!」

「ラッキー」を連発する天野くんのニコニコしている横顔を見ていたら、私も何だか嬉しくなってきた。
仕事に打ち込んでいる時のように、その時だけは、自分の体に巣食うガンのことを忘れた。