ガン細胞の転移が見つかった私は、10月から投薬治療を受けることになった。
今回は、6週間を1サイクルとする。
「その分、多少ですが薬は強めになります」と須藤先生は言っていた。

あの辛く苦しい治療の日々が、また始まるのか・・・。
また体が風船みたいにむくんでしまって、髪も抜けてしまうのか。
でもこれが、今できる唯一の治療だから、嫌でも何もしなければ、「あのとき治療を受けておけば」と後で絶対後悔する。

こうして、10月23日から―――結婚記念日の2日後だ―――、私は再び投薬治療を受け始めた。
確かに薬は強くなったと感じる。
それとも、以前より体力と、薬に耐える力が落ちてしまったのだろうか。
きつい。それに痛い・・・。