笹に願いを

・・・あ・・・れ?!

「・・よしひこ・・・義彦っ!」
「何だよ。どうし・・・織江?織江!」
「う、うごけない・・・歩けない、わたし・・・」
「分かった。救急車呼ぶぞ」

それは本当に、突然だった。
痛みが走った次の瞬間、私は崩れ落ちるように床に座り込んでいた。
それから体が、正確には両脚が動かない。動かせない。
さっき腰のあたりに感じた痛みと関係しているのだろうか・・・。



去年から患っている卵巣がんのこと、手術と治療の経緯、服用している薬などを書いているノートを彼らが見てくれたおかげで(それは病院に持って行った)、私はいつも通っている病院へ連れて行かれた。
その病院が、救急指定だったことも幸いだった。