「・・・もしかして天野くん、独りで寂しいなんて思ってる?」
「いいや。俺じゃなくて、織江」
「え?・・・わたし?」
「ああ。なんか最近さ、おまえ元気ないように見えるから。海のそばにいたら元気出るかと思ってさ。俺みたいに」
「海男だからね、天野くんは」と私が言うと、助手席の彼はクスッと笑った。

さすが仕事のパートナー。
受けたショックを隠そうと努力はしてるものの、天野くんとは一緒にいる時間が多いから・・・やっぱり微妙な変化に対しても、気づかれてしまうのは当然だよね。

「とにかく、おまえが言いたくなったらでいい。俺は待ってる」