「うわぁっ。サンダルの中、砂だらけ」
「俺もー。あっち歩こ」
「濡れちゃうよ?」
「裸足になりゃいいじゃん。歩きながらジャリジャリになった足、洗おうぜ」
「あ。そだね」

足が海水に浸ってから、私たちはサンダルを脱いだ。
そして、それを簡単に海水で洗うと、私は左手で、天野くんは右手でそれを持った。

「もうちょっとこっちに来い」
「わっ!波が来ると短パン濡れる!」
「別に俺は構わんが。ほれ、これ持って」と天野くんは言うと、私にサンダルを託して、私が着ている短パンの裾を、サッと数回まくり上げてくれた。

「こんくらいで大丈夫だろ」
「うん。ありがと」