私の心臓がどんどん早くなってくる。



初めて男の人に囁かれた。


初めて男の人の近くにいる。



全部が初めてでドキドキしてきた。



「早くおいで?」



そ、それは自分からキスしろって事ですか・・・!?


朝比奈 真羅

行きますっ!



『は、はい!』


私は勢いよく返事をして目を開ける。



『あ、あれ?』



でも、王子は近くに居ない・・・。


ドアの方をみると王子が居て、手招きをされた。



『やっぱり、そう上手くいきませんね・・・』



恋する主人公になりたかっただけだよっ・・・。



「早く来て〜〜」


『はい!』



私は自分の頭に何をされたのかも忘れて王子のもとへ向かった。