「小宮空。」 まさか名前が出てくるなんて思わなかった。 こんなこと聞いちゃうなんて。 盗み聞きみたい。 早くこの場から去りたい。 でも、足は動かなくて… 『空って八方美人だよね。』 『ねえ、八方美人は嫌われるよ?』 『皆に嫌われたくないから八方美人なのに嫌われちゃうんだね。』 前に聞いた。 冗談混じりで話した。 あの時は深く考えなかった。 だって、八方美人って何? 私はただ、誰とでも仲良くなりたいだけ。 そう思っていたから。