「…ずいぶんと仲が良ろしいのですね」
お母様の顔が少し引きつっている。
「幼い頃から私に使えている、臣下であり弟の様なもの…この男の事は気にしないでほしい」
「そ、そうでしたか」
冷静なアルティラ陛下とは対照的に、お母様は落ち着きがなかった。
アルティラ陛下なら話せば縁談の話を無かったことに出来ないかしら?
私は意を決して口を開いた。
「…アルティラ陛下、この縁談の話は無かったことに出来ませんか?」
「な!リアラ!なんて事を言い出すの!わざわざ隣国から出向いてくださったのに!」
私の言葉にお母様は少しヒステリック気味に、私を怒鳴る。
でも私は怯むわけにはいかない。
「お母様、私は今日初めて縁談の話を聞いたのです。このままでは結婚しても愛を育むなんてできません」
「……二人で話がしたい」
私の言葉にアルティラ陛下は少し間をおいて口を開いた。

