《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



「カトレイヤはもう動かないよ」

「だから何だ」

「どうして、手放せずにそうして抱きしめているのかな...と」


そう尋ねるヘルメスは、やっぱり楽しそうで、俺はイラつく。

そしてまっすぐにヘルメスを見つめた。


「こいつは俺だけのものだ。誰にも渡さず、守るって決めたんだよ」

「だから、なぜ...?」

「...愛してるから、誰にも渡したくないと思うほどに、カトレイアを愛したからだ!!」


だから、永遠に傍にいる。
魂が器を離れても、この愛しい人の体を手放すなんて無理だ。