「そうか、得たのは『愛』と『熱情』だったか...」 「あんたは...誰だ?」 コツコツとブーツを鳴らす長身の男。 白髪を一つに束ねていても、歳は30くらいだろうか、綺麗で整端な顔立ちをしている。 まるで、この世のものとは思えない美しさ。 そう、俺が初めてカトレイヤにあった時に感じたものと同じだった。 「私はヘルメス...ヘルメス・トリスメギストスさ」 その人は、モノクル越しに俺を見つめた。