《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



見渡せば私は時計台に戻ってきたのだと知る。


「カイ...ここまで連れて、きてくれて、ありがとう...」

「守るって言ったからな...」


笑いかけてくれるカイに胸がいっぱいになる。


「カイのこと、信じてた...」

「お前は、世話がかかるからな、俺くらいしか面倒みきれねーんだよ」


あぁそうか、これが...誰かを尊い、愛しいと思う気持ち。
優しく微笑む不器用なこの人を、私は...。