《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



「カトレイヤ、頼むから目を開けてくれ...」

頬を撫でる感触に、重たい瞼を持ち上泣きそうな顔のカイと目が合った。


「カ、イ...」

「カトレイヤ!!」


目が合うと、名前を呼ばれて頬に口づけられた。

それに、驚いていると、カイは何度も頬を撫でて、私の存在を確かめる。


「お前が、目ぇ開けねーから、心配しただろーがっ...」


カイの声は震えて、なんだか胸が張り裂けそうになる。
よく見れば、カイは傷だらけで、命を懸けて私を守ってくれたのだと分かった。