《短編》時計仕掛けのカトレイヤ





「お、お前...ただの時計職人って本当か??」

「ただの時計職人だ、スラム育ちの...な」


ニヤリと笑ったカイは、明らかに悪の顔だった。

これじゃあ、どっちが悪役か分からないけれど、私のダークヒーローは、確かにカイだった。



「スラム!?」

「おう、あそこじゃ強い奴しか生き残れねぇーからな」

「スラム...貧困層の区域の出身か!なんでまたこんなところで時計職人なんざしてるんだ?」


驚いたようにカイを見つめる男たち。

スラム...それがどういう場所なのか分からない。
だけど、それはもう生き残るのすら過酷な場所なんだろう。

そこで、カイは生きてきたんだ...。