《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



***


カイの師匠の家は、外壁がレンガで、内装は白に統一された、どこか温かさのある大きなお家だった。


「はぁっ、撒けたみたいだな」

「ありがとう、カイ……」


きっと、私ひとりじゃ逃げきれなかった。

見捨てることだって出来たはずなのに、カイはそれをしなかった。


「別に、気にしなくていい。俺がしたくてしたことだ」

「でも、ありがとう」

「っ、お前が無事で良かった」


優しく、ぎこちない手つきで私の頭を撫でる。


本当に、優しい人……。
目覚めてすぐに出会えたのがカイで良かった。