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それは、カイと町を歩いていた時に起きた。
人混みの中、カイの背中を追いかけていた時のことだ。


「そこの娘、止まれ」


突然目の前に黒服にサングラスをかけた男達が4、5人現れた。

その手には、銃のようなものまで握られていた。



「誰?」

「カトレイヤ!!」


立ち止まった私に気づいたカイが、すぐに駆け寄ってくる。
そして、ただ事じゃないと察したのか、私を背に庇った。


「そこをどけ、青年。君には用事は無い」

「理由を話してくれねぇか、内容により次第、ここをどくからよ」


警戒を解かずに、カイは男達を睨む。
そんな私たちを、周りの町人は遠巻きに見つめていた。