「……い、お……い……い」


何だろう、声が聞こえる……。

深い闇の中、微かに聞こえる声に、私は意識が浮上していくのを感じた。


「おい!!」


今度はハッキリと聞こえた声に、重い瞼をゆっくりと持ち上げる。


すると、背の高い青年が私の顔をのぞき込んでいた。

それに、私はどうやらどこかに寝そべっているらしく、青年から見下されるような形になる。


「……っ……?」


目をパチクリとしてその誰かをマジマジと見つめる。

淡いブラウンの髪色に揃いの瞳、黒いシャツに作業着のようなダボダボのズボンを履いた青年だった。


「おっ……お前、変わった瞳の色をしてるな」

「瞳……?」

言われてみて気づいた。

お父様が作り出した私は、どんな姿形をしてるんだろう。

気になって、姿を映せる何かは無いかと起き上がる。



「おい、立ち上がって大丈夫なのか」

フラフラとしだす私の後を、青年がついてくる。

見渡せば、何本もの銀の柱が立っており、吹き抜けになっているせいか、空が見えた。

私はその銀の柱の一つに歩み寄り、自分の姿を映して見つめる。