《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



「とにかく、ここに連れてきて正解だったわ」

「オムレツ、ありがとう」


カイは、私に色んな刺激をくれる。
その度に広がる世界、感情を大切しようと思った。


「お前の、あんな笑顔が見れるなら、また連れてきてやるから」

「また………」


そのまたは、きっと訪れないだろう。

今日と明日の境界、24時の鐘がなれば、私は停止するんだから……。


ズキンッ……。
何だろう、胸が痛い……。


「そうだ、また…な?約束してやる」

「………うん、ありがとう」


そしてどうして、私は今叶えられない約束を受けたんだろう。

そんなの無理だって言うのは、躊躇われた。
私は、一度にたくさんの感情を知って、処理しきれずにいた。


ただ、分かるのは………。


カイとまたオムレツを食べられないのは、寂しいと、思ったことだった。