《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



「お前、何してんだ?」

すると、またもや呆れたようにカイは私を振り返った。


「ぶつかった?」

「………それは、俺にも分かる」

「……衝突し……」

「同じだからな、意味」


変なヤツと、呟きながら私の手を引く。

気を取り直して歩き出したカイは、歩幅を合わせてくれていた。


「面白いもの……って?」


町まで戻ってきた私達は、人混みの中にいた。
なんだか、さっきよりも人が多くなってる。

どうしてだろう……。