《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



「カトレイヤ?」

突然、カイが私の顔をのぞきこんでくる。
それが、どこか心配そうで、私は首をかしげた。


「なに?」

「なにっつーか……暗い顔してる。気のせいなら…いいんだけどよ」


困ったように頭をガシガシと掻くカイに、私は視線を落とす。

私は、暗い顔をしてたんだ。

死ぬことを悲しいとか、そんな風に思ったりはしない。


実感も無いし、私の命はお父様が作った偽りのものだから、それにいちいち悲しんだりするのは変…だと思う。


だけど……。