《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



「そんな、珍しいものじゃないだろ」

「え……?」

「この花は、錬金術で作られた、永遠の花だ。年中枯れることなく咲き続ける。だから、いつでも見られるだろ?」


永遠の花……。

錬金術は、科学の心理の果て……すなわち魔法のような不思議な力。

それでも、私にとっては永遠ではなく、一瞬の光景なんだろう。

残された時間を考えれば、きっとここへ来ることは二度と無いのだから……。


そう考えると、なぜか胸のあたりが変になる。
これを一般的には、切ないというのかもしれない。