《短編》時計仕掛けのカトレイヤ



「わぁ……ふふっ」


両手を広げて、懸命にその自然の恵みに触れようと手を伸ばす。


「はぁっ、はぁっ……おいコラ、急に走るな…」


すると、追いかけてきたのか、呆れたような顔のカイが私のところへと歩いてくる。


「ん?なんか、楽しそうだな?」

「これ、綺麗」


両手にすくうことが出来たピンク色の花びらをカイに見せると、ポンポンと頭を撫でられた。