メールを送信すると、僕は一気に体中の力が抜けて絨毯の上に大の字で寝転んだ。
「おうい?」
アノンが長い長い綺麗な銀髪を揺らして、不思議そうに僕の顔を覗き込む。
「何なんだー? もしもうし?」
僕は身を起こし、床に胡座をかいたまま綺麗な少女の顔を見上げて「うー」と、うなった。
「アノン」
「おう、どうした?」
「僕はどうやら、今からこの部屋を出ることになりそうだ」
「なに!」
アノンは金色の目を丸くして、それからパッと表情を輝かせた。
「そいつは祝福すべき事態だ! どういう風の吹き回しだ? 嵐でも来るんじゃねーか?」
「確かに、大嵐にはなりそうだな」
「よし、三年ぶりに父君母君に挨拶にでも行くか? それとも兄君姉君のところを回るか? もう夜だが、あたしの屋敷に来てくれてもいいぞ」
「ええーっと」
僕は頭を抱えながら言った。
「たぶんどれも後回しだ」
きょとん、と首を傾げるアノンに、僕はのろのろと、我ながら滅茶苦茶な発言だと自覚しながら告げた。
「僕が行くのはミン皇国だ」
「は?」
親愛なる美しい婚約者どのは、見事に目を点にした。
「おうい?」
アノンが長い長い綺麗な銀髪を揺らして、不思議そうに僕の顔を覗き込む。
「何なんだー? もしもうし?」
僕は身を起こし、床に胡座をかいたまま綺麗な少女の顔を見上げて「うー」と、うなった。
「アノン」
「おう、どうした?」
「僕はどうやら、今からこの部屋を出ることになりそうだ」
「なに!」
アノンは金色の目を丸くして、それからパッと表情を輝かせた。
「そいつは祝福すべき事態だ! どういう風の吹き回しだ? 嵐でも来るんじゃねーか?」
「確かに、大嵐にはなりそうだな」
「よし、三年ぶりに父君母君に挨拶にでも行くか? それとも兄君姉君のところを回るか? もう夜だが、あたしの屋敷に来てくれてもいいぞ」
「ええーっと」
僕は頭を抱えながら言った。
「たぶんどれも後回しだ」
きょとん、と首を傾げるアノンに、僕はのろのろと、我ながら滅茶苦茶な発言だと自覚しながら告げた。
「僕が行くのはミン皇国だ」
「は?」
親愛なる美しい婚約者どのは、見事に目を点にした。


