(仮題)魔女のいるファンタジー

 意表を突かれた。

 魔鏡こと、鏡よ鏡カガミさん。
 あんな性格だし、一人称で「俺」なんて使っているから、てっきり男性だとばかり思い込んでいた。

 女はニヤニヤした。
「何? 何? 意外?」

 フードからこぼれ落ちた左右非対称なカットの髪を払って、ついっとサングラスを押し上げる。

「いやいやまだわかんないよ? 実は男かもしれにゃいよん?」
「──ってオカマですか!」

 彼女はけけけっと笑い声を漏らし、細くて長い指を顎に当てて僕を眺め回した。
 水色のマニキュアがキラキラ光っている。

「ナナっちは想像通りすぎて、何の意外性もないねェ~」

 そいつはすみませんね。

 今の僕の外見は、どこにでもあるシャツの上にジャケットを羽織り、これまたどこにでもあるズボンを履き、頭にはニット帽を被った少年Aというところか。
 年齢も見た目通りに十五歳。

 こんな僕に意外性なんて求められても困る。