(仮題)魔女のいるファンタジー

 明かりのない屋上は本来真っ暗である筈なのだが──お約束というか何というか──困らない程度の視界は確保されている。

 そんな視界の中に人影が一つ、屋上を囲むフェンスぎりぎりに立っていた。

 どうやら既に、誰か来ていたらしい。

 僕は大きく深呼吸してから、慎重にその人影に近づいた。

 フェンス越しに下を見下ろしていた人影が、僕に気がついてこちらを振り返る。