「サンキュー。だけど何も心配するな。俺は大丈夫だ」

「そっか、俺にできることがあるなら何でも言ってくれ」

「それより、早く学校に行く支度しろ。遅れるぞ」

 トニーは全てを吐き出してすっきりしたのか、晴れやかに笑っていた。
 思いっきり伸びをし、気合を入れ、部屋を出て行った。

 身の回りに起こった出来事が、徐々に繋がってくる。

 駅で盗み聞きしてしまったあのトニーの会話も、相手はシアーズだった。

 シアーズはトニーを使ってジョーイを監視している。

 だが、それはなぜだ。

 シアーズの目的が判れば、全ての謎が解ける──。

 ジョーイの目は鋭く前を見据え、すでにシアーズに立ち向かう覚悟ができていた。