そして箪笥の上にあった写真立てを掴み、中から隠されていた写真を取り出した。

 もう一度良く見る。

 最初は写っている人物ばかりに気を取られていたが、周りに写りこんでいる物も注意深く見れば、色々と見えてきた。

 壁に飾られた絵画、観葉植物、ドアに記されたゴールドのプレート。

 光って文字が読み取りにくかったが、なんとか判別できた

 その字を読んだとたん気がついてしまった。

『Institute of Gene……』

「途中で切れているが、インスティチュートは研究施設のことであり、Geneの後に続く言葉は多分、Genetics、遺伝学のことだろう。ギーがいいたかったのはこれだ」

 ジョーイは全てのキーワードを繋ぎ合わせた。

 俺の父親が何をしていたか。
 俺のIQが高い理由。
 モルモットと呼ばれた訳。
 そして大豆に込められたヒント。

 ギーは遺伝子のことを言っていたんだ。
 大豆には遺伝子組み換えをされているものがあるってことか。
 そしてそこから考えると父親がしていたことは人間の遺伝子操作だといいたいのだろう。
 そうすれば全てが繋がってくる。
 俺は人間の手によって遺伝子を操作されたってことなのか。
 それじゃキノとノアもモルモットと呼ばれたのは、俺の父親が実験で作り出した人間ってことなのだろうか……