雨の恋路



「じゃあ行くか、雨美」






「……うん……」








あたしはそう言うとりっくん、そして咲希さんに軽く会釈して光の後について行った。









ふいになぜか後ろから視線を感じたあたしは振り返った。








そこには光を愛おしそうに見つめ、寂しげな表情をしている咲希さんがいた…―。









あたしはそんな咲希さんを見なかったふりをしながら、どうしようもない不安に胸が押しつぶされそうだった……。