雨の恋路


「分かった……」


「じゃあ、放課後。教室で待ってて」



「うん……」



そう言って別れようとした瞬間、
グッと手首を握られた。



「え?」



「雨美の気持ち、正直にな…」



あたしの…気持ち?
それってまさか……



「じゃ、後で」


軽く微笑んだ圭吾は、
自分の席へと戻って行った。




握られた手首が熱い。



これは、自惚れかもしれない。



だけど……もしかしたら。
圭吾の大事な話って言うのは……






どうしよう……。
どうしたら良いの?



圭吾は優しい。
ずっと…友達でいたかったのに……