雨の恋路


「圭吾……」


真剣な眼差しの
圭吾がいた。



「雨美、あたし机戻っとくね」



「あ、うん」



亜由ちゃんはそう言うと、
ニコッと笑って離れていった。




「昨日は、大丈夫だったか?」


「あ、うん。ごめんね…。迷惑かけて」



「気にすんな」



安心したように笑った圭吾に、
ズキッと胸が痛んだ。



「それでさ、」



「うん?」



「雨美に、話しがあるんだ」



「え?」



はなし…?



「大事な話」



圭吾の目が、
あまりにも真剣で。



誤魔化せない、
そう感じた。