夢を見た。

光があたしに笑い
かけてくれる夢。



当たり前だった。

あたしが光の傍にいることが、あたしの隣に光がいることが……当たり前だと思ってた。



手を繋いで歩く帰り道。
もうすぐあたしの家に着く。


笑ってゆっくり手を離す光に、どうしようもない不安が生まれる。

離さないで光。
お願い…離さないで…!


嫌だ、嫌だよっ!



「嫌っ!!」



………え?



「大丈夫?浜本さん」


「…ぇ?」


「覚えてる?浜本さん登校途中で倒れたのよ」


あ、あたし……。
そっか、夢だったんだ。


でも、微かに残る
手の温もりは……?


「あとで城田君にお礼言わないとね」


「え!?し、城田って……」


それって…光……のこと?


「ん?浜本さんのこと、ここまで運んできてくれたのよ?」


そう言って先生は
椅子に座り何かを書き出す。