ALONE

夕方



俺らは遊園地の出口へ向かって歩いていた。


『お前これからどうする?』


『わかんない…。でも家にだけは帰りたくない。』


そして俺は言っちまった。


『なら…俺ん家来るか?じいちゃんと二人暮らしで、部屋なら空いてるよ。』


女は急に立ち止まり

俺は繋いでいた手がピンと張った。


『…どうした?』




ぐしゅ…ぐしゅ…



泣いてる?


『いや…嫌なら別に…』


『違う〜…嬉しいの〜…』

左手で目をこすりながら女はそう言った。


俺はため息をつき

女の頭を撫でた。


『一緒に俺ん家でしばらく暮らそうな』


『うぅ〜…ありがとぉ…』

すると女はさっきより大粒の涙を流した。


めんどくさい奴。


でもちょっと可愛いと思ってしまった。


不覚にもね。


しかし次の瞬間


俺の女を撫でる右手が物凄い力で掴まれた。


振り向くとダークスーツに身を包んだ男。


『探しましたよ。お嬢様。』


次の瞬間


俺の体は宙を浮いた。