入学式なんてものは何のためにあるのかな。


座り心地の悪いパイプ椅子に座り


延々と続く長い大人の話を右から左に受け流し


先輩方のだるそうな視線を背中に浴び


決められたおじぎ

決められた起立

決められた拍手


しまいにゃ校歌斉唱


…アホくさ。


3年前の春


俺は入学式を迎えようとしていた。


朝から機嫌は最悪だった。



まず正門でヒゲの濃いオッサンに凄い剣幕で詰め寄られ


俺は職員室に連行された。


理由は髪の色。


バカ野郎。


こっちはもう入学試験の面接の時に説明済みなんだ。


今更どうこう言われる筋合いはない。


情報が教員全員に伝わってなかったらしく


校長らしき人物が俺に頭を下げて


今度は担任らしき人物が俺を次の教室へ連行した。



俺のクラス。



担任と共に教室へ入ると俺を見たクラスの奴らが凍りついた。


まるで宇宙人でも見たかのような目で。


『え〜…コイツは親御サンの血筋の関係で、もともとこうゆう髪の色なんだ。だからみんな仲良くな。』