ALONE

まず目に映ったのは


赤い絨毯と壁に掛かった絵画。


芸術に疎い俺でもどこかで見たことがある絵画だった。


シュウジが口を開く。




『…民衆を導く自由の女神』



『…?』



『七月革命期のフランスの市街戦を描いたもんや。ドラクロワの名作やで。』



…改めてコイツの博識をまざまざと見せつけられる。


『当時ヨーロッパに広がる自由主義思想を象徴する絵やな。

まぁこれはコピーにしても…

こんなもん飾るなんてアケミゆう女はかなり厄介な奴なんやろな。』



『…なんでだよ?』



『この民衆を導く自由の女神…

さしずめこれが自分だと言いたいんやろ。

下手したら今から会う女はエライ高慢な女かもしれんで。』



『…なるほどね。』



『ちなみにな、ジン。

この絵に描かれた七月革命の後に即位したフランスの王…

Louis

っちゅう名前なんよ。』



『……!?』



『お前の兄貴を連想させるもんが多いんはただの偶然か…

それともここにおる女の意図か…

会えばわかるわな♪

行くで。』



『あぁ…』




絵画を横目に



俺達は絨毯の上を歩きだす。