ALONE

2時間くらい経過しただろうか。



部屋には目覚まし達の秒針が一つ一つ時間差で鳴る。




…それと





シュウジのイビキ。




俺はパスワードの画面とひたすら格闘する。




浮かんだ英字を入力しては



はじかれる。





その繰り返し。





完全に俺はお手上げ状態だった。






…というかショックだった。






1番尊敬していた兄貴のことを





俺は何もわかっていなかったと思い知らされる。




その時…





シュウジが激しい寝返りをうち





…ベッドから落ちた。





『…ッた!!…なんやこの床。お前の兄貴じゅうたんくらい引けや!』



『…あぁ悪い。あいにくウチの兄貴はお前と違って寝相が良かったんだよ。』



シュウジはふてくされた顔を見せ



腕を伸ばし



数ある目覚ましから一つを手にとる。



『なんや俺…こんな寝とったんか…。


どや?


パスワードの解ど…』


シュウジはそう言いながら立ち上がろうとすると



目を見開き



俺に叫んだ。