俺達はファミレスを出ると


その日はとりあえず住居が手配されるまで自宅待機するということになり



そこで別れた。



もう後には引けない。



急に現れたニセ関西人に10年も前の傷口をえぐられ



俺は選択権のないまま



非日常の世界へ引きずり込まれた。



常識で考えれば今の俺は最悪の状況だろう。



しかし不謹慎なのかもしれないが俺の中には高揚感があった。



今の生活は誰かに決められた日常に縛られるわけでもなく


また


することもなしに一日一日を無駄に過ごすわけでもない。



期限を示す大きな一年計の砂時計が


逆さに立てられた。



俺の全ては目的のみに向けて突き動かされる。


砂が全て落ちるまでに結果を出さなければ


指のない生活が待っている。


わかるだろうかこの高揚感が。




俺は今





この17年で1番







『生きている』






痛いほどそう感じたんだ。