俺達はあの日と同じ入って右奥の4人掛けの席へ。


そして注文もあの日と同じアイスコーヒー。


店員がその場を離れるとシュウジは一つ一つゆっくりと語り始めた。


『事前に言わんで悪かったな。

ただな、予備知識を与えるとこの世界にまだ慣れとらんお前は話題の度に態度に出る。

この世界の住民は表情や体温の微妙な変化を空気で感じ取るんや。

もちろんお前が俺の話に毎度毎度驚いとったのは瀧本もわかっとったやろ。
いくらお前がそれを顔に出さんよう隠しとってもな。
けどな

そこが狙いや。

瀧本はそんなお前を見てどう感じる?

『あぁこの件を仕切ってるのはシュウジか。コイツは何も聞かされていない。何かあればシュウジでカタをつけられるな。』

そう思うはずや。

それが逆にお前がこの事情を知っとったらどうなる?

俺はさっきみたいに常識外れの要求を瀧本に吹っかける。

けど隣でお前は何も態度に表れん。

事前に聞いとれば驚く話題やない。

そうなると瀧本はこう感じ取る。

『あぁコイツがシュウジを裏で動かしてるのか。』

つまりや…


何が言いたいかわかるやろ?』