家に帰ってからは、別にいつもと何も変わらない生活をした。夕飯を食べ、風呂に入り、テレビを見ながら時間を潰した。そうしているうちに、夜中の一時半になっていた。
(そろそろ出るか。)
「父さん、俺少し出かけてくる。」
「こんな夜中にどこにいくんだ?」
「ちょっとコンビニに。」
「それくらい、明日行けばいいだろう。」
「夜中じゃないとだめだから。」
「なぜだ。」
「・・・いろいろあるんだよ。」
「何か危ないことに関わる気じゃないだろうな?」
「そんなわけない。」
「じゃあ何をする気だ?」
(正直に答えるしかないか。)
「姉さんを見つけられるかもしれない」
「なんだと?」
「はっきり言って最後の希望だ。これで見つけられなかったら、もう完全に諦めるしかない。」
「・・・そうか、気を付けろよ。」
「ああ。」
そう言って、俺は外に出掛けた。